最近、問題となっているメタボリック症候群の約50%が睡眠時無呼吸症候群(SAS)だと言われています。
寝ている間に何回も何十秒も呼吸が止まってしまうため、睡眠が不十分となり、社会生活に様々な支障をきたします。
- 大きないびき
- 狭くなった気道を空気が流れる際に大きな音がします。呼吸が十分に出来ていない状態なので、たかが「いびき」と軽く考えるのは危険です。
- 朝起きると口がカラカラになっている
- よくいびきをかく人は口で呼吸をしてしまうことが多くなってしまうため、口の中が乾燥してしまいます。
- 日中の眠気
- 熟睡が出来ないため、日中眠気におそわれることがあります。運転中などの居眠りは重大な事故につながる可能性が考えられるため、大変危険です。なお、睡眠時無呼吸症候群の患者が交通事故を引き起こす確率は健康な人の約7倍も高いと言われています。
※現在、交通機関と関連のある業界では、国土交通省の指導のもと、SAS(睡眠時無呼吸症候群)診断を義務付けるなど、国や企業が一丸となって交通安全に力を注いでいます。 - 起床時の頭痛
- 睡眠時に無呼吸状態に陥ると脳が酸欠状態になります。慢性的な酸素欠乏は起床時の頭痛を引き起こします。また、体内の換気が出来なくなることで高炭酸ガス血症になり、頭痛につながることもあります。
- 夜中によくトイレに行く
- 無呼吸状態では交感神経が興奮して尿が多く生成されるため、トイレに行く回数が増えます。
- 頭の働きの低下
- 熟睡が出来ないことで頭の働きが低下し、記憶力や仕事の効率、生産性が低下したり、ミスを頻繁に起こしたりするなど、社会生活においても様々な弊害(労働災害)をもたらしがちです。
- 様々な病気を招く
- 長期にわたって症状が続けば高血圧、糖尿病、動脈硬化、脳卒中、心臓病、不整脈、心筋梗塞などの発生率が健康な人の数倍になると言われています。また、睡眠中の心臓発作による突然死のリスクも高く、重症であればあるほど長生きが難しくなるとも言われています。
習慣的にいびきをかいている人は一刻も早く治療を始めることをお勧めします。
いびきとは
いびきは、睡眠時に発生する上気道粘膜の振動音です。
鼻腔から咽頭・喉頭までの空気の通り道を、上気道と言います。そのどこかが何らかの理由で狭められると、呼吸した時の空気の抵抗が大きくなり、粘膜や分泌物が振動していびきが起こります。つまり笛の原理と同じです。
いびきの治療 ~スリープスプリント~
いびきや無呼吸の状態のように気道が閉じてしまっている状態に対処するために、寝ている間にスリープスプリントを口に装着します。
スリープスプリントは、就寝中に大きくなった舌を持ち上げ、気道をひろげ、呼吸をしやすくする装具で、医学的根拠ならびに機能性・安全性が評価され、日本で初めてFDA(米国食品・医薬品局)の認可装置として認められました。
睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック
睡眠時無呼吸症候群は、今や社会問題となっています。
現在、日本における睡眠時無呼吸症候群の患者はおよそ200万人以上。代表的な症状としてのいびきに至っては、日本全国で2,000万人を超えると言われています。
上記の症状が一つでも当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。症状が長期化することで、日常生活に支障をきたしたり、命に関わる重大な疾患を引き起こしたりする恐れもあるため、早めの診断が肝心です。お気軽にご相談ください。